FIREまで、あと140日です。
さて、シリーズ第3回でレイ・ダリオ氏のポートフォリオについて説明しましたが、今回はそれを深堀していきたいと思います。
レイ・ダリオ氏は資産規模1000億ドル以上を誇るヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者です(下記リンク参照)
1.レイ・ダリオ氏のポートフォリオ。
レイ・ダリオ氏のポートフォリオは下表のとおりです。
表.1 レイ・ダリオ氏のポートフォリオ
2.レイ・ダリオ氏のポートフォリオのパフォーマンスとその分析
図.1から分かるとおり、各資産が大きく変動しており訳が分かりませんが、レイ・ダリオ氏のポートフォリオにまとめ上げられると(ダリオと略)、見事にコロナショックによる下落を防いでいます。
(対象期間は2020年1月から2021年10月です。)
図.1 レイ・ダリオ氏のポートフォリオのパフォーマンス
そこで、コロナショック(2020年3月)時点での各資産の変動(表.2)を見てみると、S&P500(VOO)、コモディティ(GSG)は大きく下落、金(GLD)はほとんど変化がなかったのに対し、逆に中期米国債(IEF)、長期米国債(TLT)は上昇していることが分かります。
表.2 コロナショック時点での各資産での変化
したがって、コロナショックによる下落を防いだのは、VOOと逆の動きをするIEF、TLTであることが分かります。
そこで、VOO、IEF、TLT、ダリオのみ抜き出してグラフにしたものが、図.2です。VOOに、IEF、TLTが逆行しているのが分かります。また、逆行の大きさは、TLT>IEFとなっていますね。
図.2 レイ・ダリオ氏のポートフォリオのパフォーマンス2
3.レイ・ダリオ氏のポートフォリオの応用
レイダリオ氏のポートフォリオの中で、コロナショックによる下落を防いだのは、IEF、VOOであることが分かったので、ポートフォリオの構成要素をVOO、IEF、TLTのみとして、表.3のようにその割合を変えてパフォーマンスを見てみました。
表.3 レイ・ダリオのポートフォリオの応用1
VOOの割合を30%として、IEF、TLTの割合を変えたのが、ダリオ改1~3です。TLTの割合が高いと、コロナショックでもマイナスとならず、最終値(2021年10月)もダリオとほぼ同じになることが分かります(ダリオよりも優れている?)。
図.3 ダリオ VS ダリオ改1.2.3
続いて、レイダリオ氏のポートフォリオでは株価上昇時のパフォーマンスに不満があるという方のために、VOOの割合を大きくしたものが、ダリオ改4~5です(表.3参照)。
表.3 レイ・ダリオのポートフォリオの応用1
図.3から分かるとおり、
ダリオ改4では、コロナショックでの下落幅はダリオとほぼ同じにも関わらず、最終値は約1.4倍に上昇しています。
ダリオ改5では、コロナショックでの下落幅はダリオの約3倍弱ですが、VOOと比較すると下落幅は1/3と格段に小さくなっており、逆に、最終値は約1.7倍に上昇しています。
どちらも、レイ・ダリオ氏のポートフォリオよりも優れていると思われます。
よく見ると、
ダリオ改4は、株式50%:債権50%のポートフォリオ、
ダリオ改5は、株式60%:債権40%のポートフォリオ、
となっており、王道の組み合わせになっていましたね(笑)
ポイントは、株式と逆行する割合が高いTLTを使用したことです。
図.3 ダリオ VS ダリオ改4.5
4.まとめ
レイダリオ氏のポートフォリオを変化させていった結果、なんと、
①株式50%:債権50%のポートフォリオ、
②株式60%:債権40%のポートフォリオ
の王道の組み合わせが優れていることが分かりました(笑)
ここでのポイントは、株式と逆行する割合が高いTLTを使用したことです。
(対象期間は2020年1月から2021年10月です。)
今まで、よく株式の動きに逆行する債権の重要性が説かれていましたが、今回のように具体的な数値、ETFで検討してみると効果が良く分かりますね!
ここでのポイントは、株式と逆行する割合が高い長期債券(TLTなど)を使用することにより、株価が下落した場合の下落幅縮小に効果があるということです。
(人気の高いBND、AGGなどでは、ほとんど効果がありません。)
ご参考まで。
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